Concept

価値観の問い質し。

存在するもの、在るものが果たしてそのままで、

見えるままで良いのか?

在る、とは?

見る、観る、視る、みる。僕たちがみているものとは?

見えるモノと見せるモノ

本質とも違う、自分の中でのモノ

<天アリ>

表層とナカ。ナカとソト。

《中の形》ではない《形の中》に在るモノ、見えるモノ

それは世界?

ストーリー?

内包された空間ではない、ナカ。

陶芸とは?器とは?

価値観の問い質し

 

繰り返す問いかけと思考

陶芸においては、

粘土を使用し成形することが一般的ですが、

私の作品には、粘土が使われていません。

粘土ではなく、シャモットを主原料としています。

シャモットを使用し、形を作ることによって、

陶芸が持つ可能性を探りたいと思っています。

自作を通して形が持つ、

表面とそこに潜む別の世界を見せたい。

人は目に見える物の表面で、その物が何なのかを判断します。

しかし、その表層だけではなく、その形そのものの中にも別の世界を見出せます。

その、普段は見ることのできない世界を見せたい。

そうすることで、見えるものと見えないもの、

存在するものが見えるままのものなのか?

その見える姿だけなのか?

そういったことを問いたい。

 

そうして、私の作品を通して、

それぞれが持つ価値観を問い質したい。

 

 

*シャモット=耐火粘土を摂氏1300~1400度で加熱したのち、くだいて小さな粒にしたもの。耐火煉瓦の原料などとする。焼き粉。