陶芸においては、
粘土を使用し成形することが一般的ですが、
私の作品には、粘土が使われていません。
粘土ではなく、シャモットを主原料としています。
シャモットを使用し、形を作ることによって、
陶芸が持つ可能性を探りたいと思っています。
自作を通して形が持つ、
表面とそこに潜む別の世界を見せたい。
人は目に見える物の表面で、その物が何なのかを判断します。
しかし、その表層だけではなく、その形そのものの中にも別の世界を見出せます。
その、普段は見ることのできない世界を見せたい。
そうすることで、見えるものと見えないもの、
存在するものが見えるままのものなのか?
その見える姿だけなのか?
そういったことを問いたい。
そうして、私の作品を通して、
それぞれが持つ価値観を問い質したい。
*シャモット=耐火粘土を摂氏1300~1400度で加熱したのち、くだいて小さな粒にしたもの。耐火煉瓦の原料などとする。焼き粉。